クラカメハ clacamera.exblog.jp

• コピーライカ　目次
  [ 2006-07 -26 20:08 ]
• Canon　ⅡＤ　
  [ 2006-07 -26 20:07 ]
• Canon　ⅣＳ
  [ 2006-07 -26 11:12 ]
• Canon　ⅡＤ　改
  [ 2006-07 -26 10:20 ]
• Melcon
  [ 2006-07 -26 07:37 ]
• Nicca Ⅲ　
  [ 2006-07 -23 23:25 ]
• Tanack　Ⅳ-S
  [ 2006-07 -23 20:22 ]
• Leotax Ｋ
  [ 2006-07 -23 19:24 ]
• Leotax F
  [ 2006-07 -23 19:20 ]
• Minolta 35
  [ 2006-07 -21 19:56 ]

Canon　ⅡＤ
Canon　ⅣS （試写例あり）
Canon　ⅡＤ改
Melcon
Nicca　Ⅲ
Tanack　Ⅳ-S （試写例あり）
Leotax K
Leotax F
Minolta　３５-f　　

Canon　ⅡＤ
レンジファインダー・カメラ
フォーカルプレーン・シャッター
シャッター速度
　B.1-25(T.1.2.4.8.25).
　40.60.100.200.500
ASA表示ナシ

レンズ　SERENAR f：3.5　50mm
（シンクロ接点は後に改造されたもの）

1952年製のバルナック・ライカのコピー（No.81094)。Canonという社名は「カンノン（kwanon）」という日本初の35mmレンジファインダーカメラから名付けられました。
「カンノン」はその頃は「精機光学研究所」という会社の試作機の名前で、やがて「ハンザキヤノン　ニッコール50mm F3.5付き」となって1936年に商品化されました。このカメラは現在132台しか確認されていないとのことで、極希少品です。キャノンのカメラがニコンのレンズをつけていたのがまた面白い。

1947年、キヤノンカメラ株式会社に社名を変更。商品名と社名を統一したのです。

上の写真のレンズは「SERENAR」ですが、右の写真はよく読めないかもしれませんが「SEIKI-SERENAR」と書かれています。1947年社名変更以前のレンズです。両方ともLeicaのエルマーのコピーです。

「ハンザキャノン」というカメラについては湊和雄のデジタル南島通信のなかの「もっとクラシックカメラネタ」というページにカメラの写真と詳細な説明が書かれています。全体の形はCanon ⅡＤとよく似ています。

Canon Ⅳ型まではバルナックライカのコピーであることは一目瞭然ですが、ボディが角張っていたり、ファインダー倍率が３段階に変わるなどCanon独自の技術も入っています。

Canon　ⅣＳ
レンジファインダー・カメラ
フォーカルプレーン・シャッター
シャッター速度
　B.1-25(T.1.2.4.8.X.25).
　40.60.100.200.500.1000
ASA表示 10.12.25.32.50.100.200

レンズ　CANON LENS 50mm f:2.8


1952年製(No.100998)。Ⅳ型から世界最初のレール直結式のフラッシュ同調装置（写真向かって右のサイド）を備えました。

CANON LENS f2.8 の試写例（カメラは Leica Ⅲa)

Canon　ⅡＤ　改
レンジファインダー・カメラ
フォーカルプレーン・シャッター
シャッター速度
　B.1-30(T.1.2.4.8.15.30).
　60.125.250.500
ASA 10.12.25.32.60.100.200

レンズ　CANON LENS　50mm　1:1.4


1955年のCanon ⅡDの改良型です(No.196089)。

Melcon　（メルコン）
バルナックライカのコピー機
フォーカルプレーン・シャッター
　速度 B.1-25(T.1.2.5.10.25).
　　50.75.100.200.500


レンズ　Ｎippon Kogaku Tokyo NIKKOR-H　1:2　ｆ＝5cm


目黒光学工業製。軍艦部には４行にわたって「Ｍelcon　　／ 　　Megro Kogaku／Kogyo Co,.Ltd／Japan」と彫られています。LeicaⅢｃのコピーのようですが、アイレットがありません。希少価値という点からだと思いますが、バルナック・ライカより高価に取り引きされているようです。

Nicca Ⅲ　（ニッカ　３型）
バルナックライカのコピー機
フォーカルプレーン・シャッター
　速度 B.1-20(T.1.2.4.8.20).
　　30.40.60.100.200.500
ASA表示　ナシ

レンズ　Ｎippon Kogaku Tokyo NIKKOR-H・C　1:2　ｆ＝5cm


日本中というより世界中で、ライカにもっとも近いカメラはNiccaだと思います。

ニッカカメラは1940年、光学精機社という名前で創業されました。キヤノンの前身である精機光学でライカコピー「ハンザキヤノン」の製作に従事していた人たちが設立しました。翌1941年には最初のカメラ「ニッポン」を製作したそうです。これは軍の命令で造られたカメラで、主に従軍カメラマンに配られたと言われています。
戦後になって社名をニッポンカメラと改め、1947年から製造を再開しました。すぐに社名をニッカカメラに変更。当時の販売総代理店は大森に本社があった”ひのまるや”というところだったそうです。
「ニッポン」「ひのまる」となると右翼が絡んでいそうな会社ですね（笑）。

やがてニッカはヤシカに吸収され、ヤシカは京セラに吸収され、京セラはカメラ部門から撤退しました。あらら。

写真のクラカメハ所有のNiccaは、おそらく1949年製。裏蓋の開閉ネジに「MADE IN OCCUPIED JAPAN」と彫ってあることとシンクロ接点がないことからの判断です。

1935年製のLeicaⅢa（ライカ３a）との比較です。全く同じですね。上がNiccaです。

ライカの張り革は少し変色しているように見えますが、このライカⅢaは使い古されて小傷だらけ、張り皮もわたしが一番好きな肌触りになっています。

そうそうLeicaの空洞の上(時計でいうと１２時の位置）には「０」のマークがあります。1938年のⅡ型では書かれていません。この「０マーキング」は1931年のⅠ型から37年くらいまででしょうか。

レンズはニコン製です。大戦後のこの時代では、いくらキャノンから勇んで出た技術者たちでも、まだまだ陸軍の東京光学トプコン、海軍の日本光学ニコンの技術力に頼るしかなかったのでしょう。

「Tower23」という別名でも輸出されています。これはアメリカのカタログ販売とデパートの会社、シアーズ・ローバックにOEM供給して、シアーズが自社ブランド「Tower」として売っていたのです。ですから、[Tower」ブランドにはマミヤ・asahi・大和光機などいろいろな会社のカメラがあります。　

Tanack（タナック）
Tanack　TYPE　Ⅳ－S　
バルナックライカのコピー機
フォーカルプレーン・シャッター
　速度 B.1-25(T.1.2.4.8.25).
　50.75.100.200.500
ASA表示　ナシ

レンズ　Tanaka Kogaku Japan TANAR H.C. 1:2　f=5cm



田中光学という会社は１９５４年からライカコピー機を作りはじめました。
右の写真の上がTanack、下はLeicaⅢa（1935年製）。同じ顔つきですが、横幅は７mm大きくなっています。第２次大戦中の1940年、Leicaはアルミダイカストになって同じLeicaⅢでも３mm大きくなりましたが、Tanackはそれよりまた4mm大きくなっています。Ⅲaとの違いは、後ファインダーのアイピース(覗き穴）がⅢｂのように接近したこと。フィルムが入れやすいように蝶番式になったことの２点です。

Tanackのボディの仕上げは、FEDなどのロシアよりは綺麗に仕上がっています。文字も几帳面に書いてあります。このあたり日本を感じさせます。
ところが巻き上げになると砂が噛んでいるのではないかと思われるくらい重いです。張り皮も剥がれかけています。Tanackは、ボディに関しては日本のコピーライカのなかでは最下位のランクでしょう。

田中光学という会社のことは、まだよく分からないところが多くあります。ボディのごつさ、巻上げの悪さを考慮すると、おそらく精密機械からではなくレンズのメーカーからスタートしたのではないかと推測しています。

その証拠に、レンズはすこぶる評判がいいらしいです。レンズはフルラインアップで、しかも自社製だったということです。ネットで調べたところでは35/2.8、35/3.5、50/1.5、50/1.8、50/2、50/2.8、50/3.5（沈胴）、50/3.5（固定）、85/2、100/3.5、135/2.8、135/3.5とあるそうです。

50/1.5とか135/2.8になると世界水準を越えていますが、おそらくこのTanackと同時代というわけではなく大分後の製品でしょう。残念なことにクラカメハは実物を確認していません。

レンジファインダー・カメラ
フォーカルプレーン・シャッター
シャッター速度
　B.25.50.75.100.200.500

ASA 50.100.200




昭和光学は１９３９年から蛇腹カメラ、セミレオタックスを作っていた会社です。写真のライカコピー機は、1955年製。前の年に発売となったアルミダイキャスト製の高級機Leotax Ｆ の廉価版。スローシャターと1/1000がなくなっています。同じダイキャストでもLeicaⅢより3mmほど大きいのは技術力の差かも知れません。この頃はまだ「Showa Optical Works Ltd．」となっていますが、この会社名はやがて「Leotax Camera Co.」になります。

写真にはレンズは付いていませんが、Simlar→Topcor（東京光学）が主流で、他にレオノン（昭和光機）、フジノン（フジ）、ヘキサノン（コニカ）が選択できたそうです。最後期のレオノンの他のレンズは外部発注で、すべて優秀なレンズという評判です。

レンジファインダー・カメラ
フォーカルプレーン・シャッター

シャッター速度　B 25-1(T 1 2 5 25 15 10) 35 50 75 100 200 500 1000


1954年、昭和光学製。

Leicaはアルミダイキャスト・ボディになって板金ボディよりちょっとだけサイズが大きくなりましたが、LeicaⅢｆをまねたレオタックスはまた一回り大きくなっています。Leotax(F・Kとも同サイズ）140w×72.5h×31.5d 510g、にたいして Leica Ⅲf 136w×69h×30d　425gです。

以下はレンズ。
Simlar 1:3.5 f=5cm Tokyo Optical Co.
絞り　3.5 4 5.6 8 11 16

東京光学製Simlar にはｆ3.5とf1.5があります。3.5はtessar型、1.5はsonnar型。もちろん1.5は格段に高価です。この後、東京光学レンズはTopcorというブランドに変わりますが、Simlar50/3.5はTopcor 50/3.5(前期）と名前が違うだけで中身は同じものです。
　
シムラーの名は、戦前から東京光学で使われていたブランド名ですが、これは東京板橋区の地名「志村」に由来しています。

Minolta 35-F
レンジファインダー・カメラ
フォーカルプレーン・シャッター
シャッター速度
　B.25-1(T.1.2.4.8.25).
　35.50.100.200.500
ASA表示ナシ

レンズ　TELE ROKKOR 1:4 f=13.5cm
No3690 Chiyoko
絞り　4 5.6 8 11 16 22 32

日本製コピーライカのなかでは見た目で一番Leicaらしくないカメラです。Minolta３５シリーズは１９４７年に「a」型ができ、以来「b」「c」「d」「e」「f」に、1９５３年に「Ⅱ」１９５６年に最終型「Ⅱｂ」になります。写真は「ｆ」型です。

画面サイズは、写真のものは24×34.5mmですが、最初は24×32mmだったそうです。改良のすえ、最終的に世界標準の２4×36になりました。

Leicaらしくないと言えばもうひとつ、ライカもコピー・ライカも巻上げノブを回すと、巻上げノブ→シャッター→シャッター速度ノブ、と３つが連動して回りますが、Minolta 35だけはシャッターは回転しません。巻上げ→シャッター速度ノブとなっています。これは歯車がひとつ少なくしてあるためで、当然ながらシャッター速度ノブの目盛りはライカの逆になります。